
Excelでロジックの検証をしようと思ったのは、岡三RSSがもともとExcelを使ったシステムなので、検証したロジックから実売買への移行が楽だろうと思ったからです。
日経平均先物の日足データなどならデータ量も多くはないので手っ取り早く検証をするにはよいと思います。
でも最近は分足データで解析したくなってきたので、その場合はさすがに動作が重たくなります。
では見ていきましょう。
システムトレードの構築
システムトレードはある決まった売買ロジックに従って機械的に取引を行うトレード手法だが、それをするためにはとにもかくにも何らかの売買ルールが必要である。
売買ロジックを持つためには、自分で作るか、市販のものを購入するかの二つの方法がある。
そして、その売買ロジックは何でもいいわけではなく、自分の望む結果を出してくれるロジックがほしいわけだ。
どんなロジックがよいのか?それを決めるために、過去データにロジックを当てはめて検証することになる。
システムトレードではこの検証作業が膨大で大変である。また、過去にあてはめてうまく機能するロジックが見つかったと思っても、それが現実の未来でも機能するとは限らない。
実際にあるロジックを使って売買を始めても、結果としてちっとも儲からない、ということも十分あり得る。
未来に向かって末永く機能するロジックを作るためには、トレードに対する深い理解が必要となる。
値動きの何らかの特徴をとらえてそれをロジックに落とし込む。
それも、すぐに消えてなくなる一時的なパターンではなく、もっと相場の真理に基づく普遍的な特徴を反映させたロジックが求められる。
そうでないと長期的にそのロジックで収益を上げることはできないだろう。
と偉そうなことを言ってみても、自分も全然できていない。
そこは研鑽あるのみである。
Excelによる売買ロジックの構築
実際の検証にはExcelを使う。
Excelを使うメリットは、ロジックをすぐに岡三RSSに移植できることである。
岡三RSSもExcel上で動いているので、Excelで作った売買ロジックは岡三RSSのExcelシートにも適用できる。
ここでは、日経平均先物に対する売買ロジックの検証をやってみる。
検証をするにはまずデータが必要である。
日経平均先物の過去データはいろいろなサイトで配布している。
たとえば、日足の時系列データは

などから得ることができる。
それらをExcelに貼り付けて時系列データとする。
その時系列データを解析して、ある条件が整った時にエントリーし、別の条件でイグジットするように計算する。
その損益を計算し、損益の時系列データとする。
たとえば、下の図は前日が下落なら次の日の寄りで買い、前日が上昇なら次の日の寄りで売り、引けで決済するという単純なロジックで売買を続けた結果をExcelで計算してグラフにしたものである。
こんな単純なものでも長期的に見て利益が出ているのは驚きだ。
ただし、グラフを見てわかるのは、大きなドローダウンがあるため実運用で使うのは困難だろうということと、直近の成績が特に悪化しているので、過去はよかったかもしれないがもはやこのロジックは有効ではないかもしれないということである。
ともかくも、Excelを使うと売買の検証ができることがわかった。
時系列データとExcelを使うと、移動平均線などの指標の計算も数式がわかれば可能である。
それによって優位性のあるロジックを構築できれば、それを実運用にも適用できる。