売買ロジックの見直し ~コロナショックでの大損失を受けて~

2月から3月の大暴落、ボラティリティの大増大によってトレード資金に大きな損失が生じました。

約13年分の過去検証データを使っても例がないような大きな動きです。

このため自作の売買ロジックが負け続け、トレード資金が半分になってしまいました。

大きく損失を食らったことは2016年2月の下落局面やブレグジットなどでもありました。

その時は裁量で勝負していたので精神的にもかなりしんどかったのを思い出します。

今回はメンタルはそれほどでもありません。ああまたか、という感じです。

慣れというのはありますね。感覚が麻痺しているのかもしれません。

そうは言っても大損害であることには間違いなく、今後トレードを続けるには原因の解明や売買ロジックの見直しは避けられません。

売買ロジック改良の方向性

今回わかったことは、現有の売買ロジックでは大きすぎる変動に対応できないことです。

その部分を改良して今後の運用に備えなければなりません。

また、安心して運用するにはロジックの堅牢性、ロバストネスを高める必要があると感じています。

要するに、カーブフィッティング、オーバーフィッティングをいかに防ぐかということです。

  • ボラティリティが大きすぎる局面で損失を防ぐ
  • カーブフィッティングを防ぐ

これが課題となります。

ボラティリティが大きい局面で損失を防ぐ

今回の損失の様態は、買いで入っても売りで入ってもロスカットされて損失が積み重なる、というものです。

暴落局面で値動きが不安定になって大きく振れました。

その振れ幅が極度に大きいために、ロスカットに引っかかってしまいます。

通常の相場ではロスカットを設定することで損失を抑えることができますが、ここではそれが裏目に出ています。

かといって、ロスカットを設定しなければどこまで損失が膨らむかわかりません。

売買ロジックをいろいろいじってみましたが、今回のような暴落局面で再現性よく利益を上げるロジックは見つかりませんでした。

とにかく、今回のようにドローダウン率100%を食らうことは絶対に避けなければなりません。

そうすると、暴落局面で再現性よく利益を得るロジックがないのであれば、次善の方策は暴落局面ではトレードしない、というのが正解になります。

暴落時にトレードをしない効果

下の図はある売買ロジックの損益曲線とドローダウンです。2008年後半や2016年はじめ、そして2020年のコロナショックでドローダウンが大きくなっています。

これは今回と同じように、暴落時には上下の振れ幅が大きくなってロジックが機能していないということです。

この大きなドローダウンを防ぐために、「指数の変動が大きくなりすぎた場合はトレードしない」というロジックを組み込みます。

その結果が下の図です。2008年や2016年のドローダウンが小さくなり、さらにコロナショックによる損失も回避できています。

破滅的なドローダウンを回避しつつ、総利益はほとんど変わっていないので良い結果だと思います。

ここで疑問なのは、「暴落時のように変動が大きくなった時に利益を出すロジックは組めないのか」ということです。

いろいろやってみましたが、「うまくいかない」というのが結果です。

ロジックを変えて暴落時に利益を上げるようにすることはできます。

しかし、そのロジックは平常時に損失を繰り返し、トータルの利益が上がりません。

そして暴落がいつ来るかわからない以上、そのロジックを使い続けるのは困難になります。

売買ロジックのカーブフィッティングを防ぐ

暴落時の損失も問題ですが、さらに問題なのはカーブフィッティングです。

自分の作った売買ロジックがカーブフィッティングである場合、過去検証では素晴らしい損益曲線を描いて利益になっていても、実運用すると利益が上がらないということになります。

その場合、そのシステムでのトレードは無駄になります。

なので、カーブフィッティングを防ぐことは非常に重要です。

じゃあどうやってカーブフィッティングを防げばいいの?という話になりますが、正直わかりません。

それが簡単にできれば苦労はしません。

そうは言っても何らかのテストはしたいので、ここでは「乱数による変動」を使ってテストを行うことにします。

下の図は、ある売買ロジックの損益曲線です。一応右肩上がりのラインで利益が出ています。

ではこれを実戦投入しても大丈夫でしょうか?

下の図は、先ほどのロジックと同じロジックですが、乱数によって値をばらつかせた物の結果です。

ドローダウンが深くなり利益もかなり減ってしまいました。

この売買ロジックは変動に弱いロジックと言えるでしょう。

これを実戦投入しても、過去検証通りの結果は期待しにくい。

実戦投入するのであれば、相場の乱数的な変動によって影響されにくいロジックの方が、過去検証に近い結果が得られるのではないかと思われます。

まとめ

ここで紹介した方法を使って売買ロジックを改良したので、近々トレードを再開する予定です。

だだし、自分の売買ロジックが苦手な相場というのはやはりあって、それが今回の改良でさらに見えてきたので、投入のタイミングについては慎重に考えたいと思います。

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