
システムトレードをする上で、自分のシステムの特性を知ることは重要です。
破産しないためには特に、ドローダウンがどれくらいになり得るのか把握しておくことは絶対に必要です。
そのためにモンテカルロシミュレーションを行って損益曲線を予測してみました。
モンテカルロシミュレーションによる損益曲線の計算

上のグラフは3万回取引を行った場合のシミュレーション結果です。
横軸が取引回数で縦軸が獲得値幅になります。
期待値プラスの売買ストラテジーを想定しているので右肩上がりの損益になっています。
3万回の取引は、自分のストラテジーでは約130年の期間に相当します。
130年の間に値幅にして約1,200,000円を獲得する計算です。1年あたり9,000円くらいですね。
最大ドローダウンの計算

上のグラフは同じ期間でのドローダウンの様子です。最大で5,600円くらいのドローダウンを食らっています。
また、14年に1回くらいの割合で4,000円程度のドローダウンが発生することが分かります。
さらに長期間にわたって計算を続けると、1000年に1回くらい8,000円程度のドローダウンが生じることがあります。
1000年に1回なら無視してもよいかもしれませんが、もしかしたら実際のトレードでも発生するかもしれません。
また、14年以上はトレードを続けるつもりなので、4,000円程度のドローダウンは確実に起きるでしょう。
運が悪ければ6,000円くらいのドローダウンを食らうかもしれません。
1,000円のドローダウンは頻繁で、2,000円くらいのドローダウンもそれなりに発生します。
年に9,000円の値幅が取れる可能性がある一方、長期間の間には6,000円くらいのドローダウンが発生する可能性もあるということです。
破産を避けるために
ドローダウンを乗り越えて生き残れば、さらに利益を伸ばせる確率があるのですから、重要なのは大きなドローダウン期間にも破産しないことです。
そのためには十分な取引余力と控えめなトレード枚数でトレードを行えばよいことになります。
現在のところ自分はそれなりにリスクを取って運用しているので、50%くらいのドローダウンは覚悟しています。
でも実際にそれが生じた際に精神的に耐えられるかは分かりません。
もし時間的に余裕があればシステムを改良してドローダウンを減らす方法を考えたいと思います。

上の表はシミュレーションに使ったパラメータとシミュレーション結果です。
現実のトレードではシミュレーション通りに行く保証は何もありません。あくまでも、将来のトレードがこの確率モデルに従うならこうなる、という話です。
相場の性質が変わってモデルが使えなくなったり、採用しているストラテジーが単なるカーブフィッティングだった場合はこの通りにはなりません。
それはそれで対応をしなければなりませんが、それはまた別の問題です。
システムトレードを行うということは、売買結果に何らかの過去との再現性を期待するということです。そのため、ドローダウンも当然再現することが期待できます。
それに備えることも、自分のシステムを運用することの一部です。
まとめ
トレードでの破産を避けるために、モンテカルロシミュレーションでシステムのドローダウンや期待利益を計算した結果を紹介しました。
かなり単純化した計算なので、今後はもう少しストラテジーの詳細に踏み入って、ドローダウンが生じやすい相場環境や値動きが大きくなった場合の対処法などを検討したいと思います。