
以前開発したストラテジーで運用停止したものがいくつかあります。
運用停止してから時間が経過すると、もしそのまま運用を継続していたらどうなっていただろう?と気になります。
そこで今回、先物ストラテジーのひとつについて検証を行いました。
このストラテジーは、下落の流れでの上昇では売り、上昇の流れの中での下落は買う、というのが根幹のロジックになっています。
2016年までの過去検証の結果は良好でしたので、運用を開始しました。
それでは結果を見てみましょう。
運用停止ストラテジーのその後の検証
下の図は現在まで運用を続けていた場合の獲得値幅の推移を示すグラフです。

2017年12月あたりで大きく落ち込んでいますが、その後急速に切り返して利益を出しています。
このストラテジーの運用を開始したのが2017年の1月で、そこから2017年の11月まで運用を続けてそこで停止しています。
資産曲線のピーク付近で運用を開始し、資産曲線の谷底付近で運用を停止しています。
ここらへんがシステムトレードの実運用の難しさです。
過去検証と比べて大きなドローダウンに突入した時に、運用を続けるべきか停止するべきかの判断に困ります。
このストラテジーに限れば、運用を継続したほうが利益になったと言えます。
しかし全てのストラテジーでそうとは限らないのが難しいところです。
ドローダウンの推移も見てみましょう。

ドローダウンの底付近で諦めているのがよりはっきりと分かります。激しく落ち込みます。
この場合、自分の作成したストラテジーの根拠となっているロジックに自信があるかどうかで運用を続けられるかどうかが決まります。
後から振り返れば、「あの時はトランプラリーや日経平均の歴史的連騰などもあり、売りが機能しない相場だった」などと理由付けできます。
しかし運用中は実際に損失が出ているので冷静に対処することが難しい。
どこまで損失が膨らむか分からない恐怖のため、耐えるより投げ出したほうが気が楽になります。
実際、運用を続けていると最悪破産する可能性もあります。
やはり、いかにドローダウンを小さくできるかが実運用を長く継続するために実際上は非常に重要なポイントになります。
そのためのひとつの方法は、売買タイミングの異なる複数のロジックを組み合わせて使用することで、それによってドローダウンを相殺することができるようになります。
まとめ
過去に運用を停止した売買ストラテジーのその後を見てみました。
このストラテジーに関して言えば、運用を続けていれば利益となっていました。
実運用上はドローダウンがなんらかの限界値を超えた場合は運用を停止するのが破産を防ぐ方法となります。
従って、ドローダウンが小さいシステムを構築できるかどうかが運用を続ける上でのカギになります。
ただ、今回のストラテジーについてはドローダウンの最悪期は終わったと判断して、運用を再開しようと思っています(はたしてどうなるか…)。
今回は以上です。
それでは。